ビール分析法の統一を目的とする組織(協会)としてアメリカではAmerican Society of Brewing Chemists(略称:ASBC)が、ヨーロッパでは、European Brewery Convention(略称:EBC)が設立されており、これらで採用された分析法は現在でもビール業界内で確固たる権威を有しています。過去、日本にはそれらに相当する組織は存在しませんでしたが、80年代に入り日本のビール技術者の水準が高まり、国際学会でレベルの高い技術発表がなされ、ASBC・EBCより日本のビール技術団体との公式な関係を持ちたいとの要望が強くなってきました。この様な働きかけと共に、我が国のビール各社の間に、ビール分析法を統一し、お互いのコミュニケーションを図ろうとする気運が高まり、1982年ビール酒造組合(略称BAJ:Brewers Association of Japan)内部に「技術委員会」が設置され、日本でのビール分析法の統一作業が開始されました。1990年にはその成果として「BAJビール分析法」が出版されました。その後、技術委員会は国際的な活動をより強化し、経常的なものにするために1992年「国際技術委員会(略称BCOJ:Brewery Convention of Japan)」と改組され現在に至っています。
1983年にASBCとビール酒造組合との間に、「リエゾン契約(Official Technical Liaison)」が締結され、互いの年報・議事録の交換等を行っています。また、1998年にはBCOJとASBC間で協働契約(Cooperative Agreement)が締結されました。この協働契約を受けて、互いの議長と分析委員長を毎回年次大会に招待し合い、交流を深めています。またBCOJは、ASBCがMBAA(Master Brewers Association of Americas)と共同で4年に1回開催するWBC (World Brewing Congress)大会に、協賛団体として毎回参加しています。これまでに、2008年度WBC大会ではシンポジウム「Japanese advanced technologies」、ワークショップ「Design of Asian Beer Styles」を、2012年度WBC大会ではシンポジウム「Technology for the Future」をBCOJとして開催し、BCOJ加盟各社からの最先端の技術発表により好評を得ております。
▼EBCとの関係
EBCとは従来から互いの年報・議事録の交換を行っていましたが、2001年5月に交流を更に深めるため、ASBCとの協働契約と同様の「パートナーシップ宣言」を締結しました。2003年11月のBCOJ年次大会にEBC議長のMr. Vesely、事務局長のMs. Wijngaardenが来賓として参加され、懇親会でスピーチを頂きました。また、2011年のグラスゴーで開催された第33回EBC congressでは、Christian von der Heide EBC議長と執行BCOJ議長との間でパートナーシップ宣言を更新し、種々の情報交換を行ないました。
国際技術委員会(BCOJ)
国際技術委員会は、ビール酒造組合の中に設置され、ビール醸造に関わる分析法の統一、製造技術交流による科学的・技術的研究の促進および同じ目的の国内外の関係組織との協働を目的として活動しています。
1.国際技術委員会設立までの経緯
ビール分析法の統一を目的とする組織(協会)としてアメリカではAmerican Society of Brewing Chemists(略称:ASBC)が、ヨーロッパでは、European Brewery Convention(略称:EBC)が設立されており、これらで採用された分析法は現在でもビール業界内で確固たる権威を有しています。過去、日本にはそれらに相当する組織は存在しませんでしたが、80年代に入り日本のビール技術者の水準が高まり、国際学会でレベルの高い技術発表がなされ、ASBC・EBCより日本のビール技術団体との公式な関係を持ちたいとの要望が強くなってきました。この様な働きかけと共に、我が国のビール各社の間に、ビール分析法を統一し、お互いのコミュニケーションを図ろうとする気運が高まり、1982年ビール酒造組合(略称BAJ:Brewers Association of Japan)内部に「技術委員会」が設置され、日本でのビール分析法の統一作業が開始されました。1990年にはその成果として「BAJビール分析法」が出版されました。その後、技術委員会は国際的な活動をより強化し、経常的なものにするために1992年「国際技術委員会(略称BCOJ:Brewery Convention of Japan)」と改組され現在に至っています。
2.目的
(1)ビール醸造及び関連産業に於ける原料、資材、生産物を評価するための分析法の統一
(2)ビール製造技術者相互交流による科学的、技術的研究の促進
(3)同様の目的を持つ他の国外及び国内の組織との協働
3.組織、役員
4.各委員会の任務
▼ボード委員会
▼事務局
▼分析委員会
▼プログラム委員会
年次大会では、その年のASBC・EBC大会等、海外のビール学会で報告した口頭・ポスター発表を英語にて再演しています。
5.これまでの主たる活動
生物化学研究室(東原和成教授)との共同研究を開始(2008年~2018年)
ビール分析法
微生物分析法
BCOJ 官能評価法
▼BCOJ分析法(抜粋)
▼国際技術委員会 年次活動報告書
6.国内外組織との関係
▼ASBCとの関係
1983年にASBCとビール酒造組合との間に、「リエゾン契約(Official Technical Liaison)」が締結され、互いの年報・議事録の交換等を行っています。また、1998年にはBCOJとASBC間で協働契約(Cooperative Agreement)が締結されました。この協働契約を受けて、互いの議長と分析委員長を毎回年次大会に招待し合い、交流を深めています。またBCOJは、ASBCがMBAA(Master Brewers Association of Americas)と共同で4年に1回開催するWBC (World Brewing Congress)大会に、協賛団体として毎回参加しています。これまでに、2008年度WBC大会ではシンポジウム「Japanese advanced technologies」、ワークショップ「Design of Asian Beer Styles」を、2012年度WBC大会ではシンポジウム「Technology for the Future」をBCOJとして開催し、BCOJ加盟各社からの最先端の技術発表により好評を得ております。
▼EBCとの関係
EBCとは従来から互いの年報・議事録の交換を行っていましたが、2001年5月に交流を更に深めるため、ASBCとの協働契約と同様の「パートナーシップ宣言」を締結しました。2003年11月のBCOJ年次大会にEBC議長のMr. Vesely、事務局長のMs. Wijngaardenが来賓として参加され、懇親会でスピーチを頂きました。また、2011年のグラスゴーで開催された第33回EBC congressでは、Christian von der Heide EBC議長と執行BCOJ議長との間でパートナーシップ宣言を更新し、種々の情報交換を行ないました。
▼ASBC・EBCとのInternational Method(IM法)の取り組み
2006年にASBC・EBCとBCOJとの間に、分析法の国際化標準構築に向けてInternational Method(IM法)に関する契約が締結されました。3団体のうちのいずれかが既に分析法として確立しているものを他の団体がリングアナリシスを成立させた場合、IM法として採択されるというものです。また、新規分析法のリングアナリシスに2団体以上が参加して成立させた場合も、IM法として採択されることになっています。その場合、1団体から2ラボ以上参加すれば、その団体独自の分析法として良いことになっています。
▼日本の地ビール会社との関係
日本では1994年4月に規制緩和による醸造規模の見直しの結果(最低醸造高2000KL/年→60KL/年)、12月に初めてマイクロブルワリー、いわゆる地ビール会社が設立されています。翌年7月には「日本地ビール協会」および「日本マイクロブルーワーズ協会」が結成され、更に1999年3月に、約半数の121社が加盟した「全国地ビール醸造者協議会」が設立されました。国際技術委員会は国税局や保健所からの問い合わせに応えるべく、「BCOJビール分析法」、「BCOJ微生物分析法」を出版しましたが、これらの分析法は品質・微生物管理に携わる国内のビール醸造技術者全体の技術向上にも貢献していると思われます。
7.年次大会
第34回BCOJ年次大会は、2025年11月6日(木)、7日(金)に開催予定です。
8.功績賞受賞者のお知らせ
2024年度 BCOJ功績賞受賞者のお知らせ