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ビール酒造組合の概要

組織の活動

 監督官庁・関係団体との連絡・折衝をはじめ、ビール業界の健全な発展を図るための公正競争規約の適正な運用、ビールに課せられる酒税の減税活動等を行うほか、20歳未満の飲酒防止の推進、消費者を過度な飲酒から守るための適正飲酒の推進、あきびん・あき缶などの散乱を防ぎ、美しい環境を守るためのびん・缶の回収・散乱防止の推進活動等を行っています。

 また、大麦・ホップ等の主原料についての対応、ビール大麦新品種の育種、ビール大麦・ホップの学術的基礎研究の大学への委託、ビール品質に関する技術的研究の国内総まとめ、さらには、食品衛生・環境整備等の技術活動を行っています。

 さらに国際化にともない海外のビール協会・ビール学会との交流も行っています。
 そしてビールに関して消費者からのさまざまなお問い合わせの窓口となっています。


公正競争規約の運用

 ビール業界には、消費者の適正な商品選択を保護し、公正な競争を確保することを目的とする「ビールの表示に関する公正競争規約」と、メーカーによる景品類の提供を制限し、公正な競争秩序を確保することを目的とする「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」(いずれも昭和54年公正取引委員会認定)の二つの公正競争規約があります。

 ビール各社の販売競争が激しくなるにつれて、販売促進活動や広告宣伝活動も活発となってきますが、組合では各社の活動が自由かつ公正なものとなるよう、またあわせて一般消費者の利益が保護されるよう公正競争規約の研究会等を開催し、規約の順守と違反行為等の未然防止に努めています。


ビールの酒税減税活動

 日本のビール酒税は世界の先進国の中で突出して高率なものとなっており、またアルコール分1度当たりの酒税で他の酒類に比し群をぬいて高額となっています。

 組合では、税制の改正に関しては主としてこのような高率のビール酒税を減税し、消費者の負担を軽減するよう、各国の酒税制度や国内の税制等を調査し、政府に対し減税の要望活動を行っています。


アルコール関連問題への取り組み

20歳未満の飲酒防止活動

 「20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」では、20歳未満の者は酒類を飲用してはならないと規定されており、20歳未満の飲酒を制止しない親権者および20歳未満に酒類を販売した営業者には科料が科せられることになっています。組合では、ビールメーカーの社会的責任を自覚し法律の趣旨にのっとって、20歳未満の飲酒を防止するための活動を行っています。

 例えばビール業界において節度ある広告活動を行うことを目的に、昭和62年に「ビールの広告活動に関する自主基準」を作成し、20歳未満向けに広告制限や広告表現の制限を行っています。

•20歳未満を対象としたテレビ・ラジオ番組には広告を行わない。
•20歳未満は広告のメインモデルとして使用しない。
•20歳未満向け媒体や20歳未満向け商品のために作られたキャラクターは広告に使用しない。
•新聞・雑誌による広告には、20歳未満の飲酒禁止の文言を表示する。
•自動車の運転シーンおよび運転を想起させるシーンにおいて、飲酒運転を助長するような表現は行わない。など

※法律の正式名称は「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」

適正飲酒の推進

 生活様式の変化とともに飲酒のパターンも変化してきており、酔うための飲酒から日常の生活を潤し、楽しむためのものへと変わってきています。

 昔から酒は「百薬の長」といわれてきたように節度ある適正な飲酒は健康にとって有用でもあるのです。しかし、一方では酒類の飲みすぎによる種々の弊害も指摘されています。特に若い人にみられるイッキ飲みは急性アルコール中毒につながり、「百害あって一利なし」です。このような飲酒の仕方は健康にとって何のメリットもありませんし、死亡につながる例もあります。イッキ飲みは絶対にやめましょう。

 適正飲酒の普及を含めて、関連する研究研修等を実施する団体として、昭和55年7月に社団法人アルコール健康医学協会(斎藤茂太会長)が設立されました。

注-1

 成人の飲酒行為については、昭和36年「酒に酔って公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律」が制定されました。

 この法律は、酒に酔っている者の行為を規制し、またその者を保護することによって、過度の飲酒が個人的・社会的に及ぼす害悪を防止することを目的としています。酩酊者が、公共の場所または乗り物で粗野・乱暴な言動をし公衆に迷惑をかけた場合は、拘留または科料に処せられることになっています。

 ビールはもともと健康的な飲料です。楽しく他人に迷惑をかけないようにお飲みください。

注-2

 道路交通法では、酒気を帯びて車両等を運転することを禁止し、また、車両等を運転することとなるおそれのある人に対して、酒類を提供したり、飲酒をすすめてはならないと規定されています。

 さらに、酒酔い運転や酒気帯び運転をした場合には、懲役または罰金が科せられ運転免許が取り消されることもあります。

 飲酒運転は大きな事故にもつながりますので絶対にやめましょう。

注-3

 20歳未満の飲酒防止や飲酒運転防止の観点から自動販売機による酒類の販売には制限が必要とされ、平成2年4月から酒類の自動販売機には「20歳未満の飲酒および飲酒運転は法律で禁止されていること」の表示と、「午後11時から翌日午前5時まで酒類の販売を停止していること」の表示をすることが国税庁告示で義務づけられました。

 また、お酒屋さんの公正競争規約でも、販売時間を厳守しなければならないことが定められています。


環境美化・省資源のために

びん・箱の回収と省資源

 びんとプラスチック箱は、メーカーに回収されますが、その回収率はほぼ100%と非常に高いものとなっています。 びん・箱ともに洗浄されて再使用されており「リサイクルの優等生」といわれています。プラスチック箱として再使用できなくなったものは再生加工されて新たに物流用パレット等として使用されます。

 廃棄物の減量化および資源の有効利用の観点から、リターナブルシステムを維持していくことは、ますます重要性を増してきています。

あき缶の散乱防止活動や啓発活動

 あき缶の散乱によって私たちの住む街が汚れることを防ぎ、環境美化を促進するために、昭和48年5月、現在の社団法人食品容器環境美化協会が創設されました。

 ビール酒造組合は発足時から参加し、積極的にあき缶の散乱防止活動を行っております。

缶のリサイクル

 平成2年12月、産業構造審議会(通産省の諮問機関)の廃棄物処理・再資源化部会から「今後の廃棄物処理・再資源化対策のあり方」について答申があり、ガイドラインとしてスチール缶のリサイクル率は60%以上(7年目標)、アルミ缶は60%(7年目標)と定められました。

 スチール缶、アルミ缶のリサイクル実績が年々向上するに従って目標値も逐次引き上げられ、平成10年6月の改定時にはスチール缶は85%(12年目標)、アルミ缶は80%(14年度目標)へと上方修正されました。

 平成10年度のわが国におけるアルミ缶の消費量は、166億5千万缶で271,03トン(国産品16.3g/缶、輸入品14.5g/缶で換算)とみられ、そのうち約5割がビール製品です。日本のアルミ缶製造は平成10年で27年目を迎え、10年度のアルミ缶リサイクル率は74.4%となりました。9年度は72.6%、8年度は70.2%であり、年々上昇していることがわかります。

ビール業界と容器包装リサイクル法

 平成7年6月に「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイクル法)が制定されました。

 この法律は、ゴミの中で大きな割合を占める容器包装廃棄物について、消費者の分別排出・市町村の分別収集・事業者の再商品化といった各々の役割分担の下で、新たな減量化や資源の有効利用に努めていくことを目的としています。

 平成9年4月からは家庭から排出されて市町村によって分別収集された容器包装廃棄物のうち、ガラスびんとペットボトルについて事業者が再商品化義務を負うことになりました。ただし、ビールびんは100%近く回収、再利用されているため、自主回収認定を受けたこと、アルミ缶・スチール缶は市町村で回収された後、有償または無償で譲渡されていることにより、再商品化義務の対象外となっています。

 平成12年4月からは、紙製容器包装・プラスチック製容器包装についても、事業者の再商品化義務が発生することになっています。

 ビール業界としても、容器包装リサイクル法が定着するように積極的に取り組んでいきます。

CO2排出量の削減と廃棄物の再資源化

 ビール業界では、地球温暖化防止対策として2010年のビール工場におけるビール生産時のCO2排出量を1990年比6%削減する目標を立てて取り組んでいます。

 また、副産物・廃棄物の再資源化率についてはほぼ100%達成しております。


安全に、おいしくいただくために

 平成7年7月から、「製造物責任法」(PL法)が施行になり、製品事故による消費者救済が制度的に図られることになりました。事故責任の原因となる製造や設計の欠陥については、とりわけ食品という製品を製造する立場としては細心の注意や管理が必要なことはいうまでもありません。

  表示についても、従来から取扱いのお願いとしてラベルにメッセージを表示してきましたが、あらためて危険の内容を含めた統一表示を行うことにより事故の未然防止を図ることとし、平成7年の法律施行にあわせ、まずびん製品に行いました。また平成8年夏からは、実際の自動車内放置による破損例から、缶および家庭用樽の全製品にも注意表示を実施しました。

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