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専務記者会見

板垣専務理事業界専門誌記者会見(2020年1月23日)

 2020年度の日本経済は、堅調な雇用環境と所得環境の改善が引き続き継続傾向にはあります。
また、2020年夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、大きな経済効果が見込まれていますが2019年10月の消費税増税の経済への影響は未だ不透明であり、消費者の節約志向の高まりも大いに懸念されます。
 その様な環境下、酒類業界においては、平成29年度税制改正で決定した第1回目の酒税改正が10月1日より実施され、市場に大きなインパクトを与える節目の年になると考えています。ビール業界としては、ビール減税を需要拡大のチャンスと捉え、市場活性化に向けて積極的に活動していきます。
 加えて、ビール酒造組合は、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、世界的なアルコール問題・環境問題に対しても今後しっかりと取組んでまいります。

2020年の主な活動は次のとおりです。

(1)公正取引推進への取組み

 ビール酒造組合は、自主的に定めた「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」「ビールの表示に関する公正競争規約」の適正な運用に向け、関係の部会や支部調査員との合同会議を通じ、公正な競争環境づくりに引き続き努めてまいります。

(2)適正飲酒に対する取組み

 2010年のWHO総会にて「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択され、その後2013年に、WHOはNCDs(非感染性疾患)予防とコントロールのため「Global Action Plan2013‐2020」を発表し、その中の目標に「アルコールの有害な使用の少なくとも10%の削減」を掲げています。
 こうしたWHOの動きを受け、国内においてもアルコール関連問題に対する取組みを総合的かつ計画的に推進するための計画である、「アルコール健康障害対策推進基本計画」が策定されています。
 「アルコール健康障害対策推進基本計画」の中では「飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底し、将来にわたるアルコール健康障害の発生を予防する」を重点課題とし、目標として「飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を徹底」することにより、『生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少』 『未成年者の飲酒なくす』 『妊娠中の飲酒をなくす』という3つの目標が明記されています。
 ビール酒造組合はこれら3つの目標の達成に貢献すべく取組んでいます。
 主な取組みとして、20歳未満飲酒防止については、「STOP!20歳未満飲酒」プロジェクトの展開、「20歳未満飲酒防止教育 学校コンクール」の実施、20歳未満飲酒防止教育支援ツールの提供・貸出し等であり、これらを通じて20歳未満飲酒防止啓発活動の裾野を拡げてまいります。
 また国民健康・栄養調査(厚生労働省)の調査結果から、相対的にアルコール健康障害対策の重要性が増している状況にある、女性の飲酒に対しては、「ほど酔い女子PROJECT」、スマートフォンアプリ「母子健康手帳」での情報発信を通じ、お酒との上手な付き合い方の知識を身につけてもらうよう取組んでまいります。

(3)酒税に関する要望活動について

 「平成29年度税制改正」により、ビール・発泡酒・新ジャンル商品の税率は、段階的に見直されることが決定しました。2020年10月1日には、この決定に基づく第1回目の酒税改正が実施されます。続いて、2023年10月には第2回目の酒税改正が予定されており、2026年10月に予定されている第3回目の酒税改正では、1㎘あたり155,000円に一本化されます。この一本化により、ビールの税率は、1㎘あたり65,000円の減税となる一方、発泡酒は20,750円の増税、新ジャンル商品は75,000円の増税となります。一本化されるビー ル、発泡酒の税率は、他の酒類と比べ依然として高い税率であり、同じ発泡性酒類に分類される「その他の 発泡性酒類」が、1㎘あたり100,000円となることと比較しても、なお大きな格差があります。また、諸外国と 比べても、高い税率といえます。
 引き続き、ビール・発泡酒のさらなる減税を要望してまいります。

(4)物流効率化への取組み

 物流を取り巻く環境は、ドライバーやトラック不足にともなう物流インフラの逼迫、それに呼応した物流費の高騰など年々厳しさを増しています。
 ビール酒造組合では、加盟各社とともに、物流インフラのツールとしてその重要性が高まっているPパレ(プラスチックパレット)に関する諸課題への取組みを強化しており、ビール4社によるPパレ共同回収の取組みを行っています。共同回収の対象エリアは、2018年11月開始の東北を皮切りに、2019年7月には首都圏、東海、九州に拡大し、2019年11月からは全国で展開しています。この取組みにより、回収車両の積載率向上、回収距離短縮や回収運用に関わるトラック台数の削減によるCO2削減が促進されると同時に、得意先からもPパレ返却先が4社から1社に集約されることで「業務負担の軽減につながる」との評価をいただいています。
 また、一般社団法人Pパレ共同使用会(以下、共同使用会)との協働によるPパレ回収強化の活動にも注 力しています。共同使用会の加盟社数は、2019年11月現在で116社(前年同期から8社増加)となっており、現在は各加盟社との連携を更に深めるため、地域毎の課題共有や対策の検討、情報収集などを各エリア単位でも行えるよう全国を数ブロックに分けた運営を行っています。
 2019年は、管理外回収の取組みとして、7月に成田市公設地方卸売市場から不正使用パレット約100枚 を回収することができました。2019年1~9月の管理外回収は、約17,500枚となっており、その内、市場関係からの回収は約8,500枚と管理外回収の約5割を占めています。
 ビール酒造組合は、Pパレ共同使用会とともに、Pパレの不正使用防止に向けた啓発活動や法的手段に よる対応を継続し、Pパレの円滑な需給体制の構築に向け、取組んでまいります。

(5)環境への取組み

 ビール酒造組合は、経団連の低炭素社会実行計画と循環型社会形成自主行動計画に参画し、温暖化防止や廃棄物再資源化など環境の保全に努めています。
 低炭素社会実行計画では、加盟各社のCO2総排出量の2020年目標を51.1万トン、2030年目標を46.3万トンとして取組んでいます。その結果、液体燃料から都市ガスなど気体燃料への転換やエネルギー使用原単位の向上などにより、2018年は45.0万トンとなり、2020年目標を大きくクリアし、既に2030年目標も達成しています。今後も新たな目標を設定し、継続してCO2削減に取組んでいきます。
 また、循環型社会形成自主行動計画では、加盟各社の全ビール工場で発生する副産物や廃棄物について、再資源化を徹底することで、2000年より再資源化率100%を継続しています。

(6)技術力向上への取組み

 ビール酒造組合では、以下を目的として「国際技術委員会(BCOJ*1)」を設置しています。
 ・ビール醸造及び関連産業における原料、資材、生産物を評価するための分析法の統一
 ・ビール製造技術者相互交流による科学的、技術的研究の促進
 ・同様の目的を持つ他の国外及び国内の組織との協働
 BCOJは、2019年5月にベルギー アントワープで開催されたEBC*2大会及びEBC分析委員会に参加しました。また、2019年6月にアメリカ ニューオリンズで開催されたASBC*3大会及びASBC Technical Committeeにも参加しました。ASBC大会では、BCOJ分析委員会で取組んでいる、「ホップ香気成分分析法の開発経過」についてポスター報告を行いました。これらの国際学会に参加することで、技術知見の獲得だけでなく、技術交流、情報交換を行うことができました。
 2019年11月には「BCOJ年次大会」を東京都内で開催しました。加盟各社による海外での学会発表の 再演のほか、ASBC議長であるMr. Scott J. Brittonによる基調講演、株式会社 ユーグレナ 出雲充 代表取締役社長による招待講演を行いました。
 2019年は4年に1回の開催となるWBC*4がアメリカ ミネアポリスで開催される予定です。BCOJからも 議長をはじめ多くの委員が参加する予定となっています。
 ビール酒造組合は、今後もBCOJの活動を通じて、ビール醸造・製造技術の向上、分析法の開発、海外 組織との技術交流に取組んでまいります。
*1  Brewery Convention of Japan
*2  American Society of Brewing Chemistsの略
*3  European Brewery Conventionの略
*4  World Brewing Congressの略

(7)食の安全・安心への取組み

 ビール酒造組合では、原料である大麦・ホップから最終製品に至るまで、さらなる品質の向上と安全性の確保を重要課題の一つととらえ、活動しています。
 「食品衛生法の一部を改正する法律」が2018年6月に公布され、原則として全ての食品等事業者に 「HACCPに沿った衛生管理」が義務付けられることになりました。加盟各社の大規模事業場はFSSC22000といった民間認証を受けることで対応を進めました。また、小規模事業場(製造従事者が50名未満)については、業界団体が作成した手引書を参考に衛生管理を行うことになります。ビール酒造組合は酒中連のHACCPワーキングチームに参画、小規模事業者向けの「酒類製造業におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書」を作成しました。
 今後もお客様に安全・安心で魅力的な商品をお届けできるよう、加盟各社とともに取り組んでまいります。

以上

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