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本日はお忙しい中、ビール酒造組合会長代表理事会見にご出席賜り、誠にありがとうございます。 8月1日に、会長代表理事に就任いたしました松山でございます。 皆様方には、平素よりビール酒造組合の諸活動に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、心から御礼を申し上げます。就任にあたりまして、ビール酒造組合の主な活動についてご説明いたします。
WHOが掲げる「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」について、国際機関から継続的に情報を得ることにより、今後展開されるアルコール関連政策へ積極的に関与してまいります。 また、国内における「第2期 アルコール健康障害対策推進基本計画」に基づき、20歳未満飲酒防止や女性の適正飲酒等のアルコールの有害な使用を低減させるための各種啓発活動に取組んでまいります。女性の適正飲酒では、新たに本年春より20代から50代までの女性をターゲットにした飲み方カエルプロジェクトを始動し、生活習慣病リスクを高める飲酒をしている女性に対して行動変容を啓発しております。 また、世界的にアルコールに対する規制の検討が進んでいるなか国内においても本年2月に厚生労働省から健康に配慮した飲酒ガイドラインが発出されました。ビール業界はアルコール関連問題に自主的に対応していきながら、マーケティング活動を展開していくことが重要であると考えます。これからは飲酒ガイドラインを踏まえた啓発活動内容の点検と方向性の確認、また純アルコール量の容器への表記の議論を深め、取組みを強化してまいります。
ビール酒造組合は「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」、「ビールの表示に関する公正競争規約」を適切に運用し、ビール酒造組合が主催する委員会や全国各エリアの支部調査員との合同会議を通じ、公正な競争環境づくりに引き続き努めてまいります。
ビール酒造組合は2026年以降のビール・発泡酒のさらなる減税を実現するために、財務省・国税庁・与野党・国会議員に酒税に関する要望を行います。要望実現の可能性を高めるために国会議員とのコミュニケーションを深め、業界市況や組合および加盟各社の活動に対する理解促進を図ります。消費者アンケート調査からの飲用動向や消費購買データからの2023年10月の酒税改正の影響分析など、消費者の実態を的確に把握したデータを用いて要望を行います。 「酒税事務等の合理化・簡素化要望」については、加盟各社から新規要望を募るとともに、継続中の要望事項に関しては、必要なデータ収集や事例調査を行ったうえで優先度を明確にし、酒中連へ提出いたします。また、国税庁とは適宜、要望事項検討の進捗状況を確認し、より効率的に要望の実現を目指します。 2023年10月の酒税改正で明らかになった課題の集約を行い、2026年10月酒税改正に向けてさらに効率良く税務事務が行えるよう活動を進めてまいります。
ビール酒造組合と加盟各社は、物流の2024年問題の解決に向けて、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に基づき自主行動計画を策定しております。この計画を関係団体の理解・協力を得て推進し、効率化のための新たな仕組みの構築や運用面の改善等、業界における物流課題の解決に取組みます。 物流インフラのツールとしてその重要性がさらに高まっているPパレに関して、パレット回収率に問題のある届け先への改善活動の実施と、流出構造の可視化を図ります。また、一般社団法人Pパレ共同使用会とも連携し、流通外からの回収活動や、不正使用防止に向けた啓発活動、法的対応を含め、Pパレの円滑な需給体制の構築に向けた取組みを継続してまいります。
ビール酒造組合と加盟各社は、原料から最終製品に至る迄さらなる品質の向上と安全性の確保に向けて取組んでまいります。特に、国産大麦やホップの品質向上に継続的に取組みます。国産大麦に関しては、気候変動や病害虫への対応を含め、醸造特性・農業生産性に優れたより良い大麦品種の選抜、普及に関係各所とともに取組んでまいります。国内ホップに関しては、既存農薬とは作用機構が異なる新規除草剤の使用のための評価を行っています。 ホップの栽培において、雑草の繁茂は、作物の生育阻害、収量・品質に影響をおよぼすハダニ類の株元での増加や地際(じぎわ)部の湿度上昇にともなう“べと”病等の病害発生リスクの増加などの問題につながります。そのため、昨年はハダニ類の殺虫剤、今年は新規除草剤を使用できるよう試験を継続して国産ホップのさらなる品質向上・安定供給を図ってます。さらに食料安全保障など将来的な不測の事態も考慮して品質向上、生産性向上を目的とした研究も大学と共同して進めております。 輸入麦芽では、海外製麦会社が生産性向上のため、ジベレリン酸を使用した麦芽の製造が今後は増加すると推測されます。現状でジベレリン酸を使用した麦芽の輸入が認められていませんが、今後使用が認められれば、調達リスクの低減など品質安定化と需給変動のリスク緩和が期待されるため、使用できるように加盟各社や関係各所と連携しながら進めていきます。
ビール酒造組合は経団連の「カーボンニュートラル行動計画」と「循環型社会形成自主行動計画」に参画し、CO2排出量削減・廃棄物の再資源化に取組んでおります。 「カーボンニュートラル行動計画」では、2030年目標について、Scope1,2におけるCO2総排出量を2013年比46%削減し、2030年CO2総排出量(目標値)を30.8万トンを目指すと定めて活動を進めています。 結果、加盟各社での様々な省エネ取組みにより、2022年CO2総排出量実績は40.7万トンとなり、基準年である2013年比で28.7%減、2030年CO2排出量目標値に対し進捗率62.4%でした。また、購入電力に占める再生エネルギー由来の比率は、2020年以降大幅に増えており、2022年では55%にまで増加しました。 ビール業界としての、最終的な目標は2050年カーボンニュートラル達成です。この目標を達成するには現状の省エネ活動の延長では厳しいと認識しております。加盟社と協力しながら、積極的な新規設備・技術導入の取組み等も進め、カーボンニュートラル達成に向け、努力してまいります。 「循環型社会形成自主行動計画」については、加盟社の全ビール工場で発生する副産物や廃棄物の再資源化を徹底することで、2000年より再資源化率100%を継続しています。 今後も引き続き、資源循環型社会実現に貢献できるよう、活動を進めてまいります。
ビール酒造組合は国際技術委員会(BCOJ)活動、ビール醸造技術連絡会、安全や分析に関する勉強会等を通して、ビール技術者や異業種の技術者との交流を促進することで、日本のビール製造技術・分析技術のさらなる向上や若手技術者の育成を図り、世界における日本ビールの存在感を高めてまいります。 本年5月には、EBC※1 Congressがフランス リールで、また8月にはWBC※2がアメリカ ミネアポリスで開催されました。BCOJからも議長や委員が参加し、世界のビール業界を牽引するべく、活発に活動してまいりました。 『BCOJビール分析法』や『ビールの基本技術』の改訂については、引き続き執筆活動や更新内容確認を継続して行い、ビール技術者へ最新情報を提供できるよう活動を進めていく予定です。 今後もビール技術者がビールの魅力を高め、お客様に新たな商品や価値の提案をしていけるよう技術や情報を発信し、共有できる場を提供してまいります。 ※1 EBC European Brewery Convention(ヨーロッパにおけるビール分析法の統一を目的とする組織) ※2 World Brewing Congress(世界醸造大会)
以上
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リリース/会見
会長記者会見
●松山会長代表理事記者会見(2024年8月22日)
本日はお忙しい中、ビール酒造組合会長代表理事会見にご出席賜り、誠にありがとうございます。
8月1日に、会長代表理事に就任いたしました松山でございます。
皆様方には、平素よりビール酒造組合の諸活動に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、心から御礼を申し上げます。就任にあたりまして、ビール酒造組合の主な活動についてご説明いたします。
▼(1)アルコール関連問題への取組み
WHOが掲げる「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」について、国際機関から継続的に情報を得ることにより、今後展開されるアルコール関連政策へ積極的に関与してまいります。
また、国内における「第2期 アルコール健康障害対策推進基本計画」に基づき、20歳未満飲酒防止や女性の適正飲酒等のアルコールの有害な使用を低減させるための各種啓発活動に取組んでまいります。女性の適正飲酒では、新たに本年春より20代から50代までの女性をターゲットにした飲み方カエルプロジェクトを始動し、生活習慣病リスクを高める飲酒をしている女性に対して行動変容を啓発しております。
また、世界的にアルコールに対する規制の検討が進んでいるなか国内においても本年2月に厚生労働省から健康に配慮した飲酒ガイドラインが発出されました。ビール業界はアルコール関連問題に自主的に対応していきながら、マーケティング活動を展開していくことが重要であると考えます。これからは飲酒ガイドラインを踏まえた啓発活動内容の点検と方向性の確認、また純アルコール量の容器への表記の議論を深め、取組みを強化してまいります。
▼(2)公正取引推進への取組み
ビール酒造組合は「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」、「ビールの表示に関する公正競争規約」を適切に運用し、ビール酒造組合が主催する委員会や全国各エリアの支部調査員との合同会議を通じ、公正な競争環境づくりに引き続き努めてまいります。
▼(3)酒税に関する要望活動
ビール酒造組合は2026年以降のビール・発泡酒のさらなる減税を実現するために、財務省・国税庁・与野党・国会議員に酒税に関する要望を行います。要望実現の可能性を高めるために国会議員とのコミュニケーションを深め、業界市況や組合および加盟各社の活動に対する理解促進を図ります。消費者アンケート調査からの飲用動向や消費購買データからの2023年10月の酒税改正の影響分析など、消費者の実態を的確に把握したデータを用いて要望を行います。
「酒税事務等の合理化・簡素化要望」については、加盟各社から新規要望を募るとともに、継続中の要望事項に関しては、必要なデータ収集や事例調査を行ったうえで優先度を明確にし、酒中連へ提出いたします。また、国税庁とは適宜、要望事項検討の進捗状況を確認し、より効率的に要望の実現を目指します。
2023年10月の酒税改正で明らかになった課題の集約を行い、2026年10月酒税改正に向けてさらに効率良く税務事務が行えるよう活動を進めてまいります。
▼(4)物流効率化への取組み
ビール酒造組合と加盟各社は、物流の2024年問題の解決に向けて、「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」に基づき自主行動計画を策定しております。この計画を関係団体の理解・協力を得て推進し、効率化のための新たな仕組みの構築や運用面の改善等、業界における物流課題の解決に取組みます。
物流インフラのツールとしてその重要性がさらに高まっているPパレに関して、パレット回収率に問題のある届け先への改善活動の実施と、流出構造の可視化を図ります。また、一般社団法人Pパレ共同使用会とも連携し、流通外からの回収活動や、不正使用防止に向けた啓発活動、法的対応を含め、Pパレの円滑な需給体制の構築に向けた取組みを継続してまいります。
▼(5)原料に関する取組み
ビール酒造組合と加盟各社は、原料から最終製品に至る迄さらなる品質の向上と安全性の確保に向けて取組んでまいります。特に、国産大麦やホップの品質向上に継続的に取組みます。国産大麦に関しては、気候変動や病害虫への対応を含め、醸造特性・農業生産性に優れたより良い大麦品種の選抜、普及に関係各所とともに取組んでまいります。国内ホップに関しては、既存農薬とは作用機構が異なる新規除草剤の使用のための評価を行っています。
ホップの栽培において、雑草の繁茂は、作物の生育阻害、収量・品質に影響をおよぼすハダニ類の株元での増加や地際(じぎわ)部の湿度上昇にともなう“べと”病等の病害発生リスクの増加などの問題につながります。そのため、昨年はハダニ類の殺虫剤、今年は新規除草剤を使用できるよう試験を継続して国産ホップのさらなる品質向上・安定供給を図ってます。さらに食料安全保障など将来的な不測の事態も考慮して品質向上、生産性向上を目的とした研究も大学と共同して進めております。
輸入麦芽では、海外製麦会社が生産性向上のため、ジベレリン酸を使用した麦芽の製造が今後は増加すると推測されます。現状でジベレリン酸を使用した麦芽の輸入が認められていませんが、今後使用が認められれば、調達リスクの低減など品質安定化と需給変動のリスク緩和が期待されるため、使用できるように加盟各社や関係各所と連携しながら進めていきます。
▼(6)環境への取組み
ビール酒造組合は経団連の「カーボンニュートラル行動計画」と「循環型社会形成自主行動計画」に参画し、CO2排出量削減・廃棄物の再資源化に取組んでおります。
「カーボンニュートラル行動計画」では、2030年目標について、Scope1,2におけるCO2総排出量を2013年比46%削減し、2030年CO2総排出量(目標値)を30.8万トンを目指すと定めて活動を進めています。 結果、加盟各社での様々な省エネ取組みにより、2022年CO2総排出量実績は40.7万トンとなり、基準年である2013年比で28.7%減、2030年CO2排出量目標値に対し進捗率62.4%でした。また、購入電力に占める再生エネルギー由来の比率は、2020年以降大幅に増えており、2022年では55%にまで増加しました。
ビール業界としての、最終的な目標は2050年カーボンニュートラル達成です。この目標を達成するには現状の省エネ活動の延長では厳しいと認識しております。加盟社と協力しながら、積極的な新規設備・技術導入の取組み等も進め、カーボンニュートラル達成に向け、努力してまいります。
「循環型社会形成自主行動計画」については、加盟社の全ビール工場で発生する副産物や廃棄物の再資源化を徹底することで、2000年より再資源化率100%を継続しています。
今後も引き続き、資源循環型社会実現に貢献できるよう、活動を進めてまいります。
▼(7)技術力向上への取組み
ビール酒造組合は国際技術委員会(BCOJ)活動、ビール醸造技術連絡会、安全や分析に関する勉強会等を通して、ビール技術者や異業種の技術者との交流を促進することで、日本のビール製造技術・分析技術のさらなる向上や若手技術者の育成を図り、世界における日本ビールの存在感を高めてまいります。
本年5月には、EBC※1 Congressがフランス リールで、また8月にはWBC※2がアメリカ ミネアポリスで開催されました。BCOJからも議長や委員が参加し、世界のビール業界を牽引するべく、活発に活動してまいりました。
『BCOJビール分析法』や『ビールの基本技術』の改訂については、引き続き執筆活動や更新内容確認を継続して行い、ビール技術者へ最新情報を提供できるよう活動を進めていく予定です。
今後もビール技術者がビールの魅力を高め、お客様に新たな商品や価値の提案をしていけるよう技術や情報を発信し、共有できる場を提供してまいります。
※1 EBC European Brewery Convention(ヨーロッパにおけるビール分析法の統一を目的とする組織)
※2 World Brewing Congress(世界醸造大会)
以上