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専務記者会見

板垣専務理事業界専門紙記者会見(2021年1月25日)

 2021年度の経済は、国内外ともに新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続するものと予想されます。しかし、ワクチンの接種が進むにつれてその影響は薄らぎ、経済活動も感染症の縮小とともに徐々に回復に向かうものと思われます。
ビール業界としては、平成29年度税制改正による第1回目の酒税の税率改正が2020年10月1日に実施されたことを踏まえ、ビール減税を需要拡大のチャンスと捉え、新型コロナウイルス感染症を防止しながら、お客様への新たな価値提案を行い、市場創造、市場活性化に向けて引き続き活動してまいります。ビール酒造組合は、持続可能な開発目標(SDGs)を踏まえながら、ニューノーマル社会においても、適正飲酒に対する取組みなど業界の共通課題に対して協調して取り組んで行くことで、ビール業界の健全な発展に繋がるような活動を引き続き行ってまいります。

2021年の主な活動は次のとおりです。

(1)公正取引推進への取組み

 ビール酒造組合は、自主的に定めた「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」「ビールの表示に関する公正競争規約」の適正な運用に向けて、関係の部会や支部調査員との合同会議を通じ、公正な競争環境づくりに、引き続き努めてまいります。/p>

(2)適正飲酒に対する取組み

 「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」への対応のため、IARD*1やWBA*2を通じて、国際機関の動きを把握・分析し、活動に結びつけていきます。また、国内における「アルコール健康障害対策推進基本計画」に基づき、引き続き不適切な飲酒の誘引防止に向けた各種啓発活動に取組んでまいります。
*1 International Alliance for Responsible Drinking の略
*2 World wide Brewing Alliance の略

(3)酒税に関する要望活動

 平成29年度税制改正により、発泡性酒類(ビール類)の酒税見直しが段階的に行われることとなり、2026年10月には1kl当り155,000円に一本化されます。第1段階の税率見直しが2020年10月に実施されたことから、2021年は酒類市場における平成29年度税制改正の影響が通年で明らかになる最初の年となります。ビール酒造組合では、ビール類の需要の変化に留意しながら、今後のビール・発泡酒の減税に向けての要望内容を組み立て、ビール類の減税に向けた活動を継続してまいります。

(4)物流効率化への取組み

 物流を取り巻く環境は、ドライバーやトラック不足に伴う物流インフラの逼迫、それに呼応した物流費の高騰など年々厳しさを増しています。物流インフラのツールとしてその重要性がさらに高まっているPパレに関して、一般社団法人Pパレ共同使用会と連携し、Pパレの不正使用防止啓発活動や法的手段による対応を行うとともに、Pパレの円滑な需給体制の構築に向けた取組みを継続してまいります。

(5)環境への取組み

 引き続き、経団連の低炭素社会実行計画と循環型社会形成自主行動計画に参画し、CO2排出削減・廃棄物対策に取組んでまいります。
 CO2排出削減については、高効率設備の導入や省エネルギー活動等を推進するとともに、共同配送・回収やモーダルシフト等の事業バリューチェーン全体でのCO2排出削減にも取組んでまいります。
 また、廃棄物対策につきましては、工場等における副産物や廃棄物の排出抑制と分別回収の徹底により、廃棄物再資源化率100%、使用済みプラスチックの有効利用率100%を維持・継続できるよう取組んでまいります。

(6)技術力向上への取組み

 国際技術委員会(BCOJ*3)活動、ビール醸造技術連絡会、異業種見学会などを通して、国内外のビール技術者だけでなく、異業種技術者との交流を促進することで、日本のビール製造技術・分析技術のさらなる向上を図り、世界における日本ビールの存在感を高めてまいります。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受け、今後の国際学会の開催は不確定な状況であります。EBC*4は2022年へ延期されましたが、IBD*5 Asia Pacific Convention は2021年2月に、ASBC*6 MEETING は2021年6月に、Master Brewers Conference は2021年10月に開催が予定されています。世界のビール業界を牽引するべく、活発に活動してまいります。また、BCOJ*1年次大会は30回目を迎え、学会での再演会の他に30回記念イベントも企画します。
 今後も、ビール技術者がビールの魅力を高め、お客様に新たな商品や価値の提案をしていけるよう、技術や情報を発信し、共有できる場を提供してまいります。
*3 Brewery Convention of Japan の略
*4 European Brewery Convention の略
*5 Institute of Brewing & Distilling の略
*6 American Society of Brewing Chemists の略

(7)食の安全・安心への取組み

 食の安全・安心に対する社会的責任を果たすため、原料から最終製品に至る迄、さらなる品質の向上と安全性の確保に向けて取組んでまいります。特に、国産大麦やホップの品質向上に継続的に取組みます。国産大麦に関しては、栃木県の一部圃場で発生した縞萎縮病の状況に引き続き注視するとともに、醸造特性・農業生産性に優れたより良い大麦品種の選抜、普及に関係各所とともに取組んでまいります。
 2018年6月13日に公布された「食品衛生法等の一部を改正する法律」に基づき、今後完全施行される「HACCPに沿った衛生管理」、「特別の注意を必要とする成分等を含む食品による健康被害情報の収集」、「国際整合的な食品用器具・容器包装の衛生規制の整備」等への着実な対応を推進してまいります。また、今後制度化が想定される「酒類の有機表示制度」に関する動きや、ゲノム編集などの最新技術の動向にも注意を払い、安全・安心なものづくりを継続できるように取組んでまいります。

以上

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