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8月22日、ビール業界に関わる各社記者にご参集いただき、山田賢治代表理事記者会見を実施しました。その要旨は下記のとおりです。
本日はお忙しい中、ビール酒造組合会長代表理事会見にご出席賜り、誠にありがとうございます。 8月1日に、会長代表理事に就任いたしました山田でございます。 皆様方には、平素よりビール酒造組合の諸活動に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、心から御礼を申し上げます。 就任にあたりまして、ビール酒造組合の主な活動についてご説明いたします。
ビール酒造組合は「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正規約」および「ビールの表示に関する公正競争規約」を自主的に定め、その適正な運用に向けて、関係の部会運営や営業拠点でのヒアリングなどを行い、公正な競争環境づくりに努めています。 公正な取引のさらなる推進に向け、引き続き景品規約・表示規約の適切な運用に取り組んでいきます。
最初に、適正飲酒に対する活動についてご説明します。 まずは、国際的な取組みに関して、WHO及び国連の動きとアルコール業界の対応、という観点からご説明します。 2010年5月のWHO総会において「アルコールの世界戦略」が採択され、2020年にかけ、このアルコール世界戦略に取組んでいます。 2013年5月には、非感染性疾患(NCDs:Non-Communicable Diseases)予防のためのアクションプランを発表し、アルコールにおいては、その有害な使用の10%削減を目標に設定しました。 国連は、2015年9月に薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療の強化を目標に設定しています。 この様な国際的な動きに対し、世界の主要アルコールメーカーで構成される アイアード(IARD = 責任ある飲酒国際同盟)は、2013年から2017年までの活動目標を5つの「コミットメント」という形で設定し取組みました。現在は、その取組みを総括し、2020年からの新コミットメント策定に向け検討がなされています。 ビール酒造組合は2016年1月にアイアードの賛助会員となり、アイアードとともに取組みを進めています。 続いて、日本国内における取組みについてご説明します。 WHOや国連のアルコールに関する世界的な動きに対して、国内においては2016年5月31日に「アルコール健康障害対策推進基本計画」が閣議決定されました。 この計画の対象期間は、2016年度から2020年度まで(2016年4月~2021年3月)とされています。 「アルコール健康障害対策推進基本計画」の中では、取組みの数値目標として3つの目標を設定しました。 内容は、 ① 生活習慣病のリスクを高める飲酒者の割合を男性13.0%、女性6.4%まで減少させること ② 未成年者の飲酒をなくすこと(ゼロにすること) ③ 妊娠中の飲酒をなくすこと(ゼロにすること) となります。 ビール酒造組合は、これらの目標達成につながるよう、啓発活動など取組みを行っていますが、その中から主なものをいくつかご紹介します。 まず、「学校コンクール」ですが、この取組みは、「日本洋酒酒造組合」様との共催で展開しているものです。 本取組みは、「未成年者飲酒防止」を目的として、2002年から「ポスター・スローガン・学校賞キャンペーン」として実施してまいりましたが、2017年からは、「より学校や地域が一体となった取組みを促進する内容」へと変更するとともに、キャンペーン名称も「未成年者飲酒防止教育 “学校コンクール”」へと改め、更に本年からは、名称内の「未成年」を「20歳未満」へと変更しました。 本コンクールでは、全国の小・中・高校、及び特別支援学校(学級)からの取組み事例を募集し、20歳未満での飲酒が健康へ及ぼす悪影響などの理解促進を図っています。 具体的な応募事例としては、「組合から貸出しや提供している各種ツール」や、「生徒が独自に制作したツール」を、授業や文化祭などの学校行事で活用しているケースが多くなっています。 本年の応募締切は、昨年より2ヶ月後ろ倒しの11月29日(金)としており、従来よりも受付期間を伸ばすことで、より応募しやすくしています。 また、女優の「東ちづる」さんが審査委員長を務める審査会を経て、明年1月25日(土)には東京都内で表彰式を開催し、最優秀賞の学校から取組み内容の発表を行って頂きます。 当日の発表の内容や様子は、ニュースリリースや組合ホームページ上の動画で公開し、更なる啓発活動に繋げてまいります。 なお、本取組みは、内閣府・警察庁・国税庁・文部科学省・厚生労働省や全国のPTA組織、校長会、養護教諭の全国組織など、数多くの関係する行政や団体様から毎年後援を頂いています。 次に、「ほど酔い女子PROJECT」です。 アルコール健康障害対策基本計画の目標に、「生活習慣病リスクを高める量を飲酒する者の割合を減らす」「妊娠中の飲酒を減らす」とあり、特に前者については目標とは反対に、その割合が、女性において有意に増えてしまっています。 このことから、アルコール健康障害対策の中で、相対的に女性における取組みの重要さが増してきている状況、と言えます。 このような現状に対し、ビール酒造組合として、業界の立場から能動的に取組み貢献を図るため、2017年11月に「ほど酔い女子PROJECT」を立ち上げました。 本プロジェクトでは、「女性には女性ならではの体の特性があることや、自分自身の体質を正しく理解して、お酒と上手に付き合ってもらうこと」を啓発する取組みを行っています。 昨年までの取組みでは、「啓発情報への入口」として、タレントの「いとうあさこ」さん出演のウェブ動画を作成し、SNS等で配信することで多くの方に啓発情報に接して頂くことができました。また、あわせて「DNAアルコール検査キット」のプレゼントキャンペーンも展開しました。 本年からは、取組みの手法を多少変更して、昨今のトレンドでもある「健康経営」を目指す企業や自治体などの団体に対し、プロジェクトへの参加を呼びかけます。 その理念や活動に賛同して「パートナー」となって頂いた企業や団体に、所属する社員や職員への啓発を行うための「サポートプログラム」を提供することで、啓発情報の発信・拡散を行ってまいります。 また本年は、「ほど酔い女子PROJECT」をベースとした取組みとして、「東京都との共同啓発事業」を新たに展開しています。 これは、昨年から両者で協議を重ね、実施することになったもので、ビール酒造組合と同じく、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人を減少させる活動」を推進している「東京都」と協定を締結し、飲酒に関する正しい知識の普及啓発の取組みに取組んでいます。 日本最大の地方公共団体である「東京都」との取組みは影響力も大きいため、積極的に手を組んで進めており、この6月には、初の共同啓発事業として「女性のお酒あるある川柳募集」を展開しました。これは、啓発情報への入口として、「女性のお酒に関する体験談」を募集するもので、募集・審査・表彰の各段階において、多くの方々に啓発情報に接して頂くことを目的としています。 このキャンペーンでは、両者のホームページやツイッターで告知すると同時に、都営地下鉄での中吊り広告や、新宿エリアにおけるデジタルサイネージ、MXテレビによる告知など、成人女性約16万人に対して広告的なアプローチを行いました。 川柳の応募件数については、目標の600件に対して731件、1,328作品の応募がありました。今後は、11月に実施する表彰式を皮切りとして、啓発冊子の発行や交通広告等により、更に幅広く啓発活動を展開してまいります。
「平成29年度税制改正」において、ビール酒造組合が長年要望してきましたビールの減税が実現することは、ビール業界にとって大きな前進と捉えております。一方でビール市場を見渡すと減退傾向が見られます。 これはお客様の嗜好変化に伴う酒類間の需要シフトによるものと考えられます。 こうした中、来年から段階的に実施される酒税改正を機に、市場活性化並びに需要拡大につながる取り組みを一層強化することが業界全体の課題ととらえております。 また、三段階にて一本化される税率については諸外国、他酒類に比べ依然として高い税率であることから、私たちは、引き続きビール・発泡酒のさらなる減税要望活動を実施していきたいと考えています。
昨今の、トラックドライバーの不足を含む、物流部門での労働力不足の解決は物流業界の喫緊の課題となっています。 そのような中、メーカー・得意先様双方の業務負荷低減、並びに、パレット回収の物流効率化による環境負荷低減を目的に、ビール4社によるパレットの共同回収を行っており、2018年11月の東北地区での展開を皮切りに、本年7月からは首都圏、東海、九州地区へと実施エリアを拡大しています。 この取組みは、従来製品出荷後4社それぞれに回収していたパレットを、一定以上の回収規模の得意先様に対し、一社が代表し回収するというものです。 本取組みにより、得意先様からは「事務作業が軽減された」のご評価を頂戴しているとともに、ビール4社においては「回収距離の短縮」「積載効率の向上」といった物流効率化の手応えを感じています。 この順調な運用を受け、この取組みを本年11月には沖縄県を除く全国で展開する予定にしています。
ビール酒造組合では、環境への取組みとして経団連の低炭素社会実行計画に参画し、CO₂削減目標を掲げ、取組んでいます。 ビール業界では2020年目標をCO₂排出量51.1万トンとして取組を開始しました。 その結果、液体燃料から都市ガスなど気体燃料への転換を継続して進めたことで、2017年はCO₂排出量を46.2万トンまで削減、2020年目標を大きくクリアし、2030年目標(46.3万トン)も達成しています。 現在、2030年の目標の見直しを進めており、今後もCO₂削減を業界全体の取組みとして継続していきます。 循環型社会形成自主行動計画では、加盟社の全ビール工場で発生する副産物や廃棄物について、再資源化を徹底することで、2000年より再資源化率100%を継続しています。 また、海洋プラスチックごみの問題に対して、他の産業廃棄物と同様に工場で発生する廃プラスチックの100%再資源化を継続達成し、プラスチックの有効な資源循環に努めます。
魅力的な商品の開発、美味しさの実現、安全の確保等に関する技術を業界全体で高めていくため、ビール酒造組合では「国際技術委員会BCOJ (Brewery Convention of Japan)」を設置し、米国および欧州各学会の分析委員会への参画、加盟社協同での分析法の開発・学会発表を行っています。 本年は、ベルギー アントワープで開催されましたEBC (European Brewery Convention) ならびに アメリカ ニューオリンズで開催されましたASBC(American Society of Brewing Chemists)に参加、BCOJ共同実験の成果を発表するとともに、各学会幹部等メンバーとの交流・情報交換を行いました。学会では、加盟各社から数多くの口頭発表、ポスター発表が行われ、日本の技術を大きくアピールしました。 これら海外発表は、毎年、年次大会において国内での再演を行っており、本年も11月14、15日の両日、永田町の星陵会館にて開催いたします。 大会には、毎回、著名な異業種の技術者に登壇いただき、ご講演いただいておりますが、昨年の大会では、今年、日本の民間単独開発としては、初めてロケットを宇宙に到達させたインターステラ テクノロジ社 稲川社長に「民間ロケット開発の現状と今後の発展」と題しご講演いただきました。 こうした活動を通じて国内外の技術者同士の交流を進めながら、ビール醸造・製造・分析技術の向上に引き続き取組んでまいります。
ビール酒造組合では、原料である大麦・ホップから最終製品に至る迄、さらなる品質の向上と安全性の確保を重要課題の一つととらえて活動しています。特に、国産大麦やホップの品質向上と安全性確保を目指し、関連団体と連携して栽培条件適正化といった取組みを行っています。本成果の一例として、ビールの香味耐久性向上に優れた特性を持つ、国産大麦新品種である「ニューサチホ ゴールデン」が、2019年産より本格栽培されています。 また、食品表示法が2015年4月に施行されてから、現在は5年間の経過措置期間中ですが、遺伝子組換え表示を含む、変更が必要な表示内容について検討を進めています。 更に、食品衛生法の一部を改正する法律が2018年6月に公布されました。この中には「HACCPに沿った衛生管理の制度化」も含まれています。ビール酒造組合加盟各社は「HACCPに基づく衛生管理」を行うことで、安全・安心品質でのビール提供ができるよう尽力しています。 今後も法律改正などの動きに対して、関係する省庁・団体と協議・連携しながら対応すると共に、お客様に安全・安心で魅力的な商品をお届けできるよう、加盟社とともに取組んでまいります。
以上
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リリース/会見
会長記者会見
●山田会長代表理事記者会見(2019年8月22日)
8月22日、ビール業界に関わる各社記者にご参集いただき、山田賢治代表理事記者会見を実施しました。その要旨は下記のとおりです。
本日はお忙しい中、ビール酒造組合会長代表理事会見にご出席賜り、誠にありがとうございます。
8月1日に、会長代表理事に就任いたしました山田でございます。
皆様方には、平素よりビール酒造組合の諸活動に対しまして、格別のご理解とご支援を賜り、心から御礼を申し上げます。
就任にあたりまして、ビール酒造組合の主な活動についてご説明いたします。
▼(1)公正取引推進への取組み
ビール酒造組合は「ビール製造業における景品類の提供の制限に関する公正規約」および「ビールの表示に関する公正競争規約」を自主的に定め、その適正な運用に向けて、関係の部会運営や営業拠点でのヒアリングなどを行い、公正な競争環境づくりに努めています。
公正な取引のさらなる推進に向け、引き続き景品規約・表示規約の適切な運用に取り組んでいきます。
▼(2)適正飲酒に対する取組み
最初に、適正飲酒に対する活動についてご説明します。
まずは、国際的な取組みに関して、WHO及び国連の動きとアルコール業界の対応、という観点からご説明します。
2010年5月のWHO総会において「アルコールの世界戦略」が採択され、2020年にかけ、このアルコール世界戦略に取組んでいます。
2013年5月には、非感染性疾患(NCDs:Non-Communicable Diseases)予防のためのアクションプランを発表し、アルコールにおいては、その有害な使用の10%削減を目標に設定しました。
国連は、2015年9月に薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療の強化を目標に設定しています。
この様な国際的な動きに対し、世界の主要アルコールメーカーで構成される アイアード(IARD = 責任ある飲酒国際同盟)は、2013年から2017年までの活動目標を5つの「コミットメント」という形で設定し取組みました。現在は、その取組みを総括し、2020年からの新コミットメント策定に向け検討がなされています。
ビール酒造組合は2016年1月にアイアードの賛助会員となり、アイアードとともに取組みを進めています。
続いて、日本国内における取組みについてご説明します。
WHOや国連のアルコールに関する世界的な動きに対して、国内においては2016年5月31日に「アルコール健康障害対策推進基本計画」が閣議決定されました。
この計画の対象期間は、2016年度から2020年度まで(2016年4月~2021年3月)とされています。
「アルコール健康障害対策推進基本計画」の中では、取組みの数値目標として3つの目標を設定しました。
内容は、
① 生活習慣病のリスクを高める飲酒者の割合を男性13.0%、女性6.4%まで減少させること
② 未成年者の飲酒をなくすこと(ゼロにすること)
③ 妊娠中の飲酒をなくすこと(ゼロにすること)
となります。
ビール酒造組合は、これらの目標達成につながるよう、啓発活動など取組みを行っていますが、その中から主なものをいくつかご紹介します。
まず、「学校コンクール」ですが、この取組みは、「日本洋酒酒造組合」様との共催で展開しているものです。
本取組みは、「未成年者飲酒防止」を目的として、2002年から「ポスター・スローガン・学校賞キャンペーン」として実施してまいりましたが、2017年からは、「より学校や地域が一体となった取組みを促進する内容」へと変更するとともに、キャンペーン名称も「未成年者飲酒防止教育 “学校コンクール”」へと改め、更に本年からは、名称内の「未成年」を「20歳未満」へと変更しました。
本コンクールでは、全国の小・中・高校、及び特別支援学校(学級)からの取組み事例を募集し、20歳未満での飲酒が健康へ及ぼす悪影響などの理解促進を図っています。
具体的な応募事例としては、「組合から貸出しや提供している各種ツール」や、「生徒が独自に制作したツール」を、授業や文化祭などの学校行事で活用しているケースが多くなっています。
本年の応募締切は、昨年より2ヶ月後ろ倒しの11月29日(金)としており、従来よりも受付期間を伸ばすことで、より応募しやすくしています。
また、女優の「東ちづる」さんが審査委員長を務める審査会を経て、明年1月25日(土)には東京都内で表彰式を開催し、最優秀賞の学校から取組み内容の発表を行って頂きます。
当日の発表の内容や様子は、ニュースリリースや組合ホームページ上の動画で公開し、更なる啓発活動に繋げてまいります。
なお、本取組みは、内閣府・警察庁・国税庁・文部科学省・厚生労働省や全国のPTA組織、校長会、養護教諭の全国組織など、数多くの関係する行政や団体様から毎年後援を頂いています。
次に、「ほど酔い女子PROJECT」です。
アルコール健康障害対策基本計画の目標に、「生活習慣病リスクを高める量を飲酒する者の割合を減らす」「妊娠中の飲酒を減らす」とあり、特に前者については目標とは反対に、その割合が、女性において有意に増えてしまっています。
このことから、アルコール健康障害対策の中で、相対的に女性における取組みの重要さが増してきている状況、と言えます。
このような現状に対し、ビール酒造組合として、業界の立場から能動的に取組み貢献を図るため、2017年11月に「ほど酔い女子PROJECT」を立ち上げました。
本プロジェクトでは、「女性には女性ならではの体の特性があることや、自分自身の体質を正しく理解して、お酒と上手に付き合ってもらうこと」を啓発する取組みを行っています。
昨年までの取組みでは、「啓発情報への入口」として、タレントの「いとうあさこ」さん出演のウェブ動画を作成し、SNS等で配信することで多くの方に啓発情報に接して頂くことができました。また、あわせて「DNAアルコール検査キット」のプレゼントキャンペーンも展開しました。
本年からは、取組みの手法を多少変更して、昨今のトレンドでもある「健康経営」を目指す企業や自治体などの団体に対し、プロジェクトへの参加を呼びかけます。
その理念や活動に賛同して「パートナー」となって頂いた企業や団体に、所属する社員や職員への啓発を行うための「サポートプログラム」を提供することで、啓発情報の発信・拡散を行ってまいります。
また本年は、「ほど酔い女子PROJECT」をベースとした取組みとして、「東京都との共同啓発事業」を新たに展開しています。
これは、昨年から両者で協議を重ね、実施することになったもので、ビール酒造組合と同じく、「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人を減少させる活動」を推進している「東京都」と協定を締結し、飲酒に関する正しい知識の普及啓発の取組みに取組んでいます。
日本最大の地方公共団体である「東京都」との取組みは影響力も大きいため、積極的に手を組んで進めており、この6月には、初の共同啓発事業として「女性のお酒あるある川柳募集」を展開しました。これは、啓発情報への入口として、「女性のお酒に関する体験談」を募集するもので、募集・審査・表彰の各段階において、多くの方々に啓発情報に接して頂くことを目的としています。
このキャンペーンでは、両者のホームページやツイッターで告知すると同時に、都営地下鉄での中吊り広告や、新宿エリアにおけるデジタルサイネージ、MXテレビによる告知など、成人女性約16万人に対して広告的なアプローチを行いました。
川柳の応募件数については、目標の600件に対して731件、1,328作品の応募がありました。今後は、11月に実施する表彰式を皮切りとして、啓発冊子の発行や交通広告等により、更に幅広く啓発活動を展開してまいります。
▼(3)酒税に関する要望活動について
「平成29年度税制改正」において、ビール酒造組合が長年要望してきましたビールの減税が実現することは、ビール業界にとって大きな前進と捉えております。一方でビール市場を見渡すと減退傾向が見られます。
これはお客様の嗜好変化に伴う酒類間の需要シフトによるものと考えられます。
こうした中、来年から段階的に実施される酒税改正を機に、市場活性化並びに需要拡大につながる取り組みを一層強化することが業界全体の課題ととらえております。
また、三段階にて一本化される税率については諸外国、他酒類に比べ依然として高い税率であることから、私たちは、引き続きビール・発泡酒のさらなる減税要望活動を実施していきたいと考えています。
▼(4)物流効率化への取組み
昨今の、トラックドライバーの不足を含む、物流部門での労働力不足の解決は物流業界の喫緊の課題となっています。
そのような中、メーカー・得意先様双方の業務負荷低減、並びに、パレット回収の物流効率化による環境負荷低減を目的に、ビール4社によるパレットの共同回収を行っており、2018年11月の東北地区での展開を皮切りに、本年7月からは首都圏、東海、九州地区へと実施エリアを拡大しています。
この取組みは、従来製品出荷後4社それぞれに回収していたパレットを、一定以上の回収規模の得意先様に対し、一社が代表し回収するというものです。
本取組みにより、得意先様からは「事務作業が軽減された」のご評価を頂戴しているとともに、ビール4社においては「回収距離の短縮」「積載効率の向上」といった物流効率化の手応えを感じています。
この順調な運用を受け、この取組みを本年11月には沖縄県を除く全国で展開する予定にしています。
▼(5)環境への取組み
ビール酒造組合では、環境への取組みとして経団連の低炭素社会実行計画に参画し、CO₂削減目標を掲げ、取組んでいます。
ビール業界では2020年目標をCO₂排出量51.1万トンとして取組を開始しました。
その結果、液体燃料から都市ガスなど気体燃料への転換を継続して進めたことで、2017年はCO₂排出量を46.2万トンまで削減、2020年目標を大きくクリアし、2030年目標(46.3万トン)も達成しています。
現在、2030年の目標の見直しを進めており、今後もCO₂削減を業界全体の取組みとして継続していきます。
循環型社会形成自主行動計画では、加盟社の全ビール工場で発生する副産物や廃棄物について、再資源化を徹底することで、2000年より再資源化率100%を継続しています。
また、海洋プラスチックごみの問題に対して、他の産業廃棄物と同様に工場で発生する廃プラスチックの100%再資源化を継続達成し、プラスチックの有効な資源循環に努めます。
▼(6)技術力向上への取組み
魅力的な商品の開発、美味しさの実現、安全の確保等に関する技術を業界全体で高めていくため、ビール酒造組合では「国際技術委員会BCOJ (Brewery Convention of Japan)」を設置し、米国および欧州各学会の分析委員会への参画、加盟社協同での分析法の開発・学会発表を行っています。
本年は、ベルギー アントワープで開催されましたEBC (European Brewery Convention) ならびに アメリカ ニューオリンズで開催されましたASBC(American Society of Brewing Chemists)に参加、BCOJ共同実験の成果を発表するとともに、各学会幹部等メンバーとの交流・情報交換を行いました。学会では、加盟各社から数多くの口頭発表、ポスター発表が行われ、日本の技術を大きくアピールしました。
これら海外発表は、毎年、年次大会において国内での再演を行っており、本年も11月14、15日の両日、永田町の星陵会館にて開催いたします。
大会には、毎回、著名な異業種の技術者に登壇いただき、ご講演いただいておりますが、昨年の大会では、今年、日本の民間単独開発としては、初めてロケットを宇宙に到達させたインターステラ テクノロジ社 稲川社長に「民間ロケット開発の現状と今後の発展」と題しご講演いただきました。
こうした活動を通じて国内外の技術者同士の交流を進めながら、ビール醸造・製造・分析技術の向上に引き続き取組んでまいります。
▼(7)食の安全・安心への取組み
ビール酒造組合では、原料である大麦・ホップから最終製品に至る迄、さらなる品質の向上と安全性の確保を重要課題の一つととらえて活動しています。特に、国産大麦やホップの品質向上と安全性確保を目指し、関連団体と連携して栽培条件適正化といった取組みを行っています。本成果の一例として、ビールの香味耐久性向上に優れた特性を持つ、国産大麦新品種である「ニューサチホ ゴールデン」が、2019年産より本格栽培されています。
また、食品表示法が2015年4月に施行されてから、現在は5年間の経過措置期間中ですが、遺伝子組換え表示を含む、変更が必要な表示内容について検討を進めています。
更に、食品衛生法の一部を改正する法律が2018年6月に公布されました。この中には「HACCPに沿った衛生管理の制度化」も含まれています。ビール酒造組合加盟各社は「HACCPに基づく衛生管理」を行うことで、安全・安心品質でのビール提供ができるよう尽力しています。
今後も法律改正などの動きに対して、関係する省庁・団体と協議・連携しながら対応すると共に、お客様に安全・安心で魅力的な商品をお届けできるよう、加盟社とともに取組んでまいります。
以上