皆さんおめでとうございます。応募してくださって本当にありがとうございます。発表をうかがってとても刺激を受けました。これまではポスター部門とスローガン部門で可視化できるもの、わかりやすいものが注目されがちでしたが、団体としての賞をもっと膨らませたい思いがありました。今回、初めて学校賞だけに絞りました。審査は難しく、審査委員は色々なジャンルの人がいて、どこに重きを置くかで意見が分かれました。この審査は非常に面白く勉強になります。何がポイントになるかというと、皆さんの発表の仕方です。想像以上に深くてユニークで、しっかりしたものでした。このままPRとして、企業や大学にプレゼンできると感じました。今の状況と課題と成果がすごくよくわかりました。是非、来年も再来年も続けていただき、他校へも提案していただきたいです。先生から生徒へ「これをしなさい」と指導する、というのでは聞いたふりをして体には染み込みません。自分で理解して納得することがとても重要だと思います。そのためには、生徒たちが自分の頭で考えて、工夫して、実践して、同級生や後輩先輩・家族・地域の色んな人をどう巻き込んでいくかが重要だと思います。
そして、実はこれが社会へ出てもとても役立ちます。大人になって、いきなり主体性・自発性・能動性を発揮しなさいと言われてもできません。子どもの頃からこういった取り組みに参加していることが大きな力になっていきます。
そして、今日良かったと思ったことはお酒を悪いものにしていないことです。お酒は素晴らしい飲み物で、素晴らしいコミュニケーションツールです。大人になってお酒の場で仕事がまとまったり、恋や愛がまとまったり、色んな良いこともあります。問題はどう付き合っていくかということです。事件や事故でお酒が関連していると、お酒が悪いとされることがあります。例えば、刃物を使った事件があった時に、「刃物が悪い」とはなりませんが、お酒の場合は「お酒のせいだ」と言われがちです。決してそうではありません。お酒には文明や文化など長い歴史があります。
発表の中で、「お酒を断れない生徒たちは自己肯定ができていない」という話しがありました。自分のことを好きになれていないなど、もしかしたら何かがあるのかもしれません。社会の背景、家庭内の環境、生きづらさや満たされない部分があったりします。そのため、事件や事故が起こった時には表面的に一箇所だけを見ないで、色々な角度から見る力をつけていくチャンスにもなると思いました。お酒は素晴らしいもので、大人になったらその場を共有して良いツールとして広げていければと思います。これからも未成年者飲酒防止教育の取り組みを続けていってください。他の学校にもどんどんPRしてください。来年は応募数がもっと増えることを願っています。おめでとうございました。
私どもビール酒造組合が日本洋酒酒造組合との共催で未成年者飲酒防止を目的として2002年から実施して参りました「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」を、「未成年者飲酒防止教育”学校コンクール”」と名称を改め、学校単位での未成年者飲酒防止に対する取組みを募集し表彰する内容といたしました。
これもひとえにご後援を頂戴しております国税庁、内閣府、文部科学省、厚生労働省、各学校関係団体、また、東ちづる委員長をはじめ、お忙しいなか熱心にご審査をいただきました審査委員の皆様方など、関係各位のご支援・ご協力の賜物であり、この場をお借りいたしまして改めて厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
本キャンペーンは、地域や学校全体で未成年者の飲酒防止問題に向きあい、小学生・中学生・高校生の皆さんが、未成年者の飲酒防止問題について考える意識を高めるとともに、未成年者飲酒が及ぼす健康への障害などの理解促進を狙いとしております。
また、最優秀賞受賞校の「未成年者飲酒防止」に関する優れた活動を発表いただき、全国に紹介させていただくことにより、「未成年者飲酒防止」の教育活動の一助となることを願っております。
本年は、小学校から11校、中学校から44校、高等学校から17校、合計72校のご応募を頂戴いたしました。どの学校も、未成年者飲酒防止問題に真摯に向きあい、創意工夫し熱心にお取組みされたものでありました。そういった学校の中から最優秀賞を選定する審査は例年白熱した中で行われています。ご関係の皆様のご努力に敬意を表しますとともに、心よりお祝い申し上げます。
本日ご出席をいただきました皆様をはじめ、キャンペーンにご応募いただきました全ての方々の思い、関係者の思いが「未成年者飲酒防止」の輪を広げ、この取り組みが更に充実、発展してまいりますことを心より祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。