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ビールの豆知識

ビールの表示

 国産ビールの表示については、酒類業組合法(第86条の5、6、施行令第8条の3、4)、食品衛生法(第11条、施行規則第5条)により、必要とされる表示事項が決まっています。また、消費者の適正な商品選択を保護し、公正な競争を確保するため、昭和54年「ビールの表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会の認定を受けて制定され、現在、これに加盟しているビールメーカーは、この規約にも基づいて表示を行っています。

 この他にも必要な表示がされております。


必要な表示事項

 次の内容がビールの容器または包装の見やすい場所に邦文で明瞭に表示してあります。

1. ビールである旨

「ビール」または「麦酒」、あるいは「○○ビール」と表示してあります。

2. 原材料

「原材料」の文字のあとに、使用した原材料(水を除く)を酒税法、同施行令および同施行規則に定められている品名で、その順序に従って表示してあります。ただし、とうもろこしはコーン、でんぷんはスターチと表示することができます。

3. 賞味期限または品質保持期限

次の方式により表示してあります。
イ. びん詰めビールにあっては、その使用するラベルの外縁に年・月を記載し、
  該当個所を切り欠く方式、またはラベルに印字する方式によって表示してあります。
ロ. 缶詰めその他のビールにあっては、缶体等に年・月を表示してあります。

4. 保存方法および取扱い上の注意等

保存方法および取扱い上の注意として、びん詰ビールにあっては「注意 びんが割れてケガをすることがあります。びんに衝撃をあたえないでください。冷凍および日なたでの保管はさけてください。」などと、缶詰めビールにあっては「注意 缶が破損するおそれがありますので、缶への衝撃、冷凍庫保管を避け、直射日光のあたる車内等暑くなる場所に長時間置かないでください。」などと表示してあります。

この他、あき缶の散乱防止のお願い事項として、缶詰ビールには、「あき缶はすてないようご協力ください。」などと表示してあります。

5. 中味容量

「ミリリットル」もしくは「ml」、または「リットル」もしくは「L」で表示してあります。

6. アルコール分

「アルコール分」の文字のあとに、容量比で○%または○度と表示してあります。

7. 事業者

事業者の法人名および本社の所在地を表示してあります。

8. 20歳未満の飲酒禁止

平成元年11月22日の国税庁告示第9号(平成9年改正)により、20歳未満の飲酒禁止の注意事項として、「ビールは20歳になってから」等と表示してあります。

9. 妊婦の飲酒注意

妊婦への注意事項として「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児、乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります」等と表示してあります。

10. アルミ缶、スチール缶の識別マーク
アルミ缶の識別マークスチール缶の識別マーク

「鋼製またはアルミニウム製の缶であって、飲料が充てんされたものの表示の標準となるべき事項を定める省令」(平成3年10月25日、大蔵・農林水産・通商産業省令第1号)に基づき、右記の識別マークを1カ所以上表示しています。

11. 再生資源・散乱防止のお願い事項

再生資源のリサイクル及び散乱防止を促進するため、「再生資源・散乱防止のお願い事項」を記載しています。
(例)「あき缶はリサイクルへ」、「あき缶は捨てないようにご協力ください」


特定用語の表示基準

 次の用語が表示されている場合は、それぞれの項目に記載されている基準のビールであることを表しています。必要な表示事項ではなく、表示基準を満たしていても表示する義務のない任意の表示事項です。邦文によらない表示も同様です。

1. ラガービール

貯蔵工程で熟成させたビールです。熱による処理(パストリゼーション)をする、しないに関係なく、貯蔵工程で熟成させたビールは、ラガービールです。

2. 生ビールおよびドラフトビール

熱による処理(パストリゼーション)をしていないビールです。なお、生ビールまたはドラフトビールと表示する場合は「熱処理していない」旨を併記してあります。「非熱処理」と表示する場合もあります。

3. 黒ビールおよびブラックビール

濃色の麦芽を原料の一部に用い、色の濃いビールです。

4. スタウト

濃色の麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビールです。

 なお、この特定用語の表示基準はビールを4つに分類したものではなく、それぞれの用語を表示する場合の必要条件を定めたものです。したがって、例えばラガービールの条件と生ビールの条件とを満たしていれば、ラガービールの生ビールと表示してもさしつかえありません。このことは、これら4つの項目すべてに当てはまります。


不当表示の禁止

 ビールに関して禁止されている表示は次のとおりです。

  • ビールでないものをビールであるかのように誤認されるおそれがある表示。
  • ビールの品質がビール以外の他の商品より特に優れているかのように誤認されるおそれがある表示。
  • 生ビールの品質について誤認されるおそれがある表示。
  • 成分、原料、品質または製法について実際のものよりも優良であると誤認されるおそれがある表示。
  • 伝統、歴史、製造技術、生産規模、生産設備、販売量、販売比率その他事業者の実態について、実際のもの、または他の事業者のものよりも著しく優位であるかのように誤認されるおそれがある表示。
  • 賞でないものを賞であるかのように誤認されるおそれがある表示。
  • 原産国、産地等について誤認されるおそれがある表示。
  • 原材料の原産国について、あたかもその原産国のもののみを用いているかのように誤認されるおそれがある表示。
  • 他の事業者のビールを中傷し、ひぼうし、またはこれらの信用を毀損するような表示。
  • 以上のほか、自己のビールの内容または取引条件について、実際のもの、または、他の事業者のものよりも著しく優良または有利であると誤認されるおそれがある表示。

輸入ビールの表示の読み方

 昭和57年3月「輸入ビールの表示に関する公正競争規約」が制定されており、わが国に輸入され、販売されている外国産のビールはこの規約に基づいて表示されています。それによりますと、「必要な表示事項」「特定用語の表示基準」「不当表示の禁止」は国産ビールの規約とほとんど同じ基準で定められています。ただ、外国産であるということから「原産国の表示」「輸入業者の名前・所在地の表示」が義務づけられ、また、製造時期がわからない製品は、「輸入時期」として通関年月が表示されています。

 なお、輸入ビールの表示に関する公正競争規約の運営は「日本洋酒輸入協会」(〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-13-5 電話03(3503)6505~6)で行われています。

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