適正飲酒の取り組み

飲酒についての注意事項とビール酒造組合の取り組み

飲酒と健康との関係について考えてみましょう。

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 体内に入ったアルコールは胃や小腸から吸収され、主として肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH)、およびアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)による代謝を受け、最終的に二酸化炭素と水に分解されて体外に排出されます。アルコール代謝の途中で生成するアセトアルデヒドは毒性が強く、二日酔いの原因となり、肝細胞に障害を起こします。また、大量の飲酒、長期の飲酒を続けるとミクロゾーム・エタノール酸化系(MEOS)経由のアルコール代謝が亢進されます(文献①)。MEOSによる代謝ではアセトアルデヒドだけでなく、細胞障害を引き起こす活性酸素も生成されます。

国民調査では、アルコールの一人当たりの消費量が多いほどアルコール性肝臓障害の患者が多くなることが報告されています(文献②文献③)。

アルコールを長期間、大量に摂取すると、初期の段階では脂肪肝となり、さらに飲酒を続けると肝線維症、アルコール肝炎、肝硬変へと症状が進行します。

また、大量の飲酒は肝臓だけでなく胃、腸、膵臓、心臓、食道、咽喉、喉頭など多くの臓器にも障害を引き起こします(文献④)。

最近は女性の飲酒量が増加し、重症のアルコール性肝炎患者が増加傾向にあります(文献⑤)。女性は男性より少量、かつ短期間でアルコール依存症、アルコール性肝障害を引き起こすので特に注意が必要です。

女性ホルモンがアルコール代謝酵素を阻害すると言われており、女性の胃の中のADH量が男性より低かったという報告もあります(文献⑥)。

日常的にアルコールを摂取する人は定期的に健康診断を受け、肝臓障害の指標であるγ-GTPの値に注意しましょう。

文献①
"Hepatic, metabolic and toxic effects of ethanol"
Lieber CS, Alcohol Clin Exp Res., 15(4), 573-92, 1991.
文献②
「わが国におけるアルコール性肝障害の実態(その3) -1992年全国集計の結果から-」
高田昭, 松田芳郎, 高瀬修二郎, 奥平雅彦, 太田康幸, 辻井正, 谷川久一, 蓮村靖, 佐藤信紘, 石井裕正, 原田勝二, 岡上武, 佐藤千史, 日本消化器病学会雑誌, 91(4), 887-98, 1994.
文献③
「食習慣とアルコール性肝障害」
堀江義則, 石井裕正, 医学のあゆみ, 202(12), 973-78, 2002.
文献④
「アルコールによる臓器障害」
梶原幹生, 石井裕正, 医学と薬学, 48(2), 149-56, 2002.
文献⑤
「重症型アルコール性肝炎の全国調査」 
堀江義則, 石井裕正, 日本消化器病学会雑誌, 99(11), 1326-33, 2002.
文献⑥
"High blood alcohol levels in women. The role of decreased gastric alcohol dehydrogenase activity and first-pass metabolism"
Frezza M, di Padova C, Pozzato G, Terpin M, Baraona E, and Lieber CS., N Engl J Med., 322(2), .95-9, 1990.

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